どうも、タカハシ・ブラフ・タカシです。
皆さんポーカーしてますか?筆者は5年ほど前から累計5000時間くらいはプレイしています。
ポーカーには重要な要素として『ブラフ』というものがありますが、これを使いこなすのは中々に難しいものです。筆者自身は毎度毎度苦しみながら『ブラフ』を敢行しています。
今回はそんな『ブラフ』について、先日のセッションで面白いアクションが出来ましたので紹介したいと思います。
オールインを行った先がロイヤルストレートフラッシュだったというのがオチなのですが、ブラフに至るまでの経緯と考え方について解説致します。
(このページの解決編として制作したソルバー(計算機)を利用したブラフの検討についてもよろしければそうぞ)
ポーカー初級者から中級者(~25z)の方々を意識して書いていきますので、上級者は生暖かく見守ってください。
こんな人におすすめ!!
・ブラフの考え方がわからない!!
・ブラフする輩の心理が意味不明!
・脱ポーカー初心者なう
・お前(筆者)のレベルを測ってやんよwという愉悦部の皆さま
ではいくぞー
シチュエーションの紹介
UTG(筆者)が44を2.3BBオープン
COのプレイヤーがコール、その他はフォールド。
ヘッズアップ(一対一)へ。(potには6.1BB)
フロップ A♠K♠T♠(6.1BB)
UTG、CO共にチェック
ターン 2♢(6.1BB)
UTGが5BBのベット、COはコール
リバー 3♢(16.1BB)
UTGは13BBのベット、COはミニレイズ26BB
UTGは更にレイズしてオールインブラフ97BB
COコール、ハンドQ♠J♠はロイヤルストレートフラッシュ(?!)
はい。UTGで44を持っていた筆者は最終的にレイズオールインブラフを選択し、待ち構えていたロイヤルストレートフラッシュにチップを全て奪われてしまいました。(とても悲しい)
リバーまでの記録やリバーでの状況(上記の画像)を見ていると、如何に無謀な勝負……というか勝率0%に近い状態からのブラフであったかが良く解ると思います。
あなたはここまでのプレイをどう感じましたか?
次の章ではブラフに至るまでの各ストリートでの発想と考え・狙いについて解説していきます。
オールインまでの道筋、プレイについての注釈
プリフロップからフロップ
UTG vs CO SRP(シングルレイズポット)
フロップ A♠K♠T♠(6.1BB)
UTG、CO共にチェック
UTGで44をオープンしましたが、それは特に問題ないでしょう。
そしてフロップ。♠が三枚のモノトーンボード、しかも全てハイカードのAKT。
この時点で44の勝ち目は非常に薄くなっています。なお、一応4♠を持っており、フラッシュドローが残っていることには注目すべき点です。
このフロップの場合、A♠もK♠も、果てはT♠までボードに出てしまっているので、こちらがUTGでプレイしていそうなハンドの内でのフラッシュのコンビネーションが非常に減ってしまっています。
存在するとすれば、QT♠や67,78,98といったスーコネハンドですが、こういったハンドレンジは常にUTGでプレイされるものでは無い故、UTGのフラッシュは本当に絶滅危惧種です。
フラッシュを除くと、ストレート……これも希少ですね。セット、ツーペア、フラッシュドローやストレートドロー&ワンヒットの複合系。滑り気味なローからミドルポケットペア。
これがUTG、つまり筆者の持ち札の概略です。
対する相手はプリフロップでコール止めだったので、本当に強いAAやKKのようなプレミアハンドはあまり持っていない筈です。筆者としては以下のような構成のレンジを想定しました。(あくまでざっくり、プレイ中はここまで詳細ではない)
フロップのベットについての検討
今回の場合、UTGとCOのレンジはざっくりトントン、いや微有利程度の強さだと感じました。
ならば順当に強いハンドと完全にゴミ(それこそ44の♠無し)を混ぜてベットして、残りはチェック。後は相手もチェックしてくることを祈ろうという落としどころです。
実戦では44の♠持ちはそもそも弱い上に、ぎりぎりドローがあるのでチェックを選び、相手もチェック。勝負はターン以降に持ち越されます。
(まあ相手はこの時点でロイヤル持ってるんですけどね。初見さん。なお、ロイヤルの勝ちは揺るがないから、いくらでもスロープレイできる。故にチェックは十分妥当。)
ターンの戦略、ブラフの開始
ターンは2♢が出ました。
これは割と嬉しいカードです。相手側が持っていると想定しているハンドとの相性が悪く、何も進展していないと考えて問題内でしょう。(なお相手はストフ(ry)
対するこちら側は、未だにAAやKKといったセットをはじめとした、ドローではない形でのパワフルな役を多数保持したレンジを維持しており、その強さはターンの2♢で逆転されうる機会をひとつ解消したことからフロップのそれ以上に頑強になっています。
ざっくりいえば、フロップよりもターンの方がUTGにとって有利になりました。
有利なレンジでやることといえば?――そう、ベットです。
強いハンドレンジが沢山あるのなら、弱いハンドもそれなり以上にブラフとしてベットすることが出来るようになります。
あとはどれくらいの額を打つのかという問題です。
IP(インポジション)でコールされた際に筆者が用意しているプランの内、ターンまでチェックで回った場合のオプションとしては75%potbet,100%potbet,135%potbet,170%potbetを用意していました。
ベット額の基準としては
75%pot
thgk(トップヒットグッドキッカー)とその仲間たち。多くのフラッシュドロー(ノーヒット)
エクイティ(勝率)15%~20%になってしまったローポケットによるブラフ。
100%pot~135%
極めて強力なメイドハンドと複合ドロー、完全なゴミの混合レンジ。AAやKK、AK、Q♠かJ♠の一枚は持っている複合ドロー、エクイティ(勝率)15%~20%になってしまったローポケットの内でもより弱いものでフラドロがあるとより望ましい。(相手がコールしてくるセットやツペーアへの逆転の目があるドローがあるもの)
170%
特筆して強いもの、ナッツ級とナッツになりうるドローの一部。どうしようもなく弱いレンジのうち、相手のナッツレンジをブロックしているものか、ローポケットから幾つかピックアップしたブラフ。
こんなところかしら。
その他にも何度ブラフするかという悩みがあります。
ターンでベットを行い、相手がコールしてとするとリバーで再度ベットの検討をすることになりますが、、、
その際にターンで100~135%まで大きなサイズのベットを行ってしまうと相手側に残るレンジが強くなりすぎてしまい次のストリートでのブラフ再チャレンジが困難となるという理屈に突き当たります。
44♠をターン一回こっきりのブラフにするか、場合によってはリバーでもまたブラフにつなげる余地を残すサイズにするか、この2択は少し悩ましい。
44♠は75%でも100~135%でも打つことができましたが、今回はこちらのナッツ級、つまりフラッシュが少ないためより大きい額を避ける事にしました。
リバーで再度ブラフするにせよ、フラッシュを引いてショーダウンを目指すにせよ、比較的判別が容易であろうという点。
プリフロップでコールしてきたように、微妙にコールが多い相手であるのならば、2段階のブラフによって一回こっきりのそれ以上に利益を目指せる気がした点。
その辺りが75%betのモチベーションを後押しとなった形です。
実戦では切りの良い5BB(potの約81%)のbetを打ち、相手はコール。降ろせれば最もよかったですが、予想の範囲内で問題ありません。
(なお(ry))
リバーの攻防、そしてオールインへ(なお(ry))
継続ブラフとしてのリバーベット
リバーは♢3。
UTGにとって悪くないです。むしろ非常に良い。
45でストレートは完成しますが、4は2枚抑えているし殆ど存在できない。
なにより、こちら(UTG)が持ちえる強力なレンジは依然強力なままである。
レンジが強いという事は?――当然ベットだ。
そしてブラフもまた継続になる。
ターンのベットレンジのうち、ショーダウンを目指したいレンジを除いた大体のハンドはリバーでベットの継続が検討できると筆者は思う。(断言できないためぼかす)
44は当然ながらブラフとしてベットすることになる。チェックしたとしてショーダウンした際に勝っているレンジが本当に思いつかない。ある??? いや、無い。
ベットの額についてはターンのそれと大差なくてよいだろう。
また、ショーダウンのレンジ、リドローがあったレンジが程よく抜けて、バリューとブラフが明確に分けられたレンジ(ポラライズされたレンジともいう)によるベットが基本となる。
という訳で、上の画像の様に大体81%のベット(pot16.1に13bet)をしたのだが・・・・・・。
COのミニマムレイズで事態は急展開を見せることになる。
ミニマムレイズへの評価、そして――
13BBのUTGベットに対して、COの26BBレイズ。つまりミニマムレイズが返ってきた。
ミニマムレイズ――正直いってあまり見ない選択肢だ。事実、筆者はこの時フリーズした。
ミニマムレイズというアクション冷静に考えてみよう。
まず、ブラフはほぼない。こちらのハンドが透けてでもない限りは無い。
ではバリューか。当然そうである。
CO側にありえるハンドレンジのうち、強いものをリニアに並べてみればそれがミニマムレイズのレンジといえよう。問題は……どこまでのレンジをミニマムレイズに出来うるかである。
例えばこちらのサンクスコールを狙った搾取的なレンジ。
フラッシュは当然、ストレートやTTのセット、ATのような下のツーペアが存在するツーペア。
例えば舐め腐ったように幅広い、セミブラフの特色まであるレンジ
先のレンジに追加で、AJoのフラッシュブロッカー、A3のツーペア、まさかの45ストレート
例えば何かしらこちらの情報ありきでのブラフインデュース
ナッツに近いレンジ、、QJs
当然ながらこちらの44は全てに負けている。とってもつらい。
この時、筆者の脳裏に天啓が走る――
この時UTGが持ちうるハンドは実際の44は兎も角、強いレンジは依然として健在である。
というか、全くキャップされていない。
要は、UTGとして十分なアグレッション(ターンの81%ベット)を取ってきたこちらのレンジにはストレートフラッシュすら存在している。
対する相手はどうか。
QJsの♠? UTGのオープンにコールするには役不足、いないとは言わないが存在するのか?
TTのセット? 3betはしていないのだろうか?
QJのストフラ以外、つまりストレートにしても同様に絶対数が少ない。
ATやA3,ストフラ以外のフラッシュ……。上位の3種よりもよほどらしい。
つまり、ミニマムレイズを構成しうるレンジのコンボの多くはナッツ級のそれよりも搾取的なレンジが非常に幅広く存在していると想定できる。
仮にだ。その幅広いレンジに対して更にレイズを加えられたのなら、それもストレートフラッシュすら存在しているレンジでオールインをされた相手はどうなるだろうか。
飽くまで仮説に仮説を重ねた話ではあるが、相手はそのレンジの殆どを降りざるをえない。TTのセットはおろか、いくつかのフラッシュすら降りそうだ。
――ロイヤルストレートフラッシュ以外は降ろせるのではないか。
――降ろせそうならば、、、ブラフである。最大限まで相手のハンドを下ろすためブラフするならばオールイン一択だろう。
キャップされていないレンジ、比較的広く想定できる相手のミニマムレイズレンジ。
そして手元のゴミハンド。
以上を持ってオールインブラフという選択肢は成立。
ナッツ以外を殺戮するためのオールイン、それが勝率0%ロイヤルストレートフラッシュへのブラフの正体でした。
……あとは言うまでもなく。
COはコールしてロイヤルストレートフラッシュをショーダウン。乙。
想定内の最悪が起きた。それだけなのです。
こちらもどうぞ(続編)
【オールイン】ロイヤルストレートフラッシュに3連ブラフ!?当人が徹底解説ソルバー編【勝率0%】 | タカハシ・タカシのポーカースタイルログ (takasipokerstyle.com)
END
ps
最後までスクロールしていただき有難うございます。
今回は思考を総ざらいする形でブラフのあらましを振り返りました。
ブラフと一口に言っても、そのそれぞれにバックボーンとなるような思考が存在するはずです。
なればこそ、ブラフ――ひいてはbetのひとつひとつにさえ明確な目的と思考があって然るべきだと思います。仮にbetの選択の末に悲しい結果があったとして、その結果が想定内の出来事であり既に飲み込んだ筈のリスクであるのならば、それはゲームとして良いプレイングが出来たという事になります。
もっとも、満足のいくプレイが出来たからと言ってそれが最高にベストな戦略であったかどうかについては別の話となります。自身が想定しきれなかった細部や選択肢の有無や選択の精度を確認し、今後一層に高めるためにも復習をおろそかにする事は出来ません。
今回のブラフについても同様です。
より良いゲームを目指して復習致しました。そして今回については復習のあらましについても記事としてまとめました。
ポーカーの復習なんかしたことない、という方やソルバーを用いた解説について関心のある方はこちらのページについても一読していただければ幸いです。
【オールイン】ロイヤルストレートフラッシュに3連ブラフ!?当人が徹底解説ソルバー編【勝率0%】 | タカハシ・タカシのポーカースタイルログ (takasipokerstyle.com)
その他のページ
【そのレンジベット】対戦相手で変えるCB(コンテニュエーションベット)戦略メモ【消えるよ】 | タカハシ・タカシのポーカースタイルログ (takasipokerstyle.com)
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コメント
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