【そのレンジベット】対戦相手で変えるCB(コンテニュエーションベット)戦略メモ【消えるよ】

コラム

どうも、タカハシ・CB・タカシです。

皆々様は『レンジCB』という概念をご存じでしょうか?

今回はその『レンジCB』について理解を深めるのに丁度良いシロモノがあったので公開します。

ざっくりと説明しちゃうと、雑に丸暗記で『レンジCB』を使ってるとミスる原因になるよ、って内容です。

扱うシロモノ自体は簡易なものなので、この記事一発で『レンジCB』をマスターなんてことは有り得ませんが見落としがちな概念に触れていくのでどうぞよろしく。有識者の方々につきましては生暖かく見守ってください。

それではいくぞー

こんな人におすすめ!!

・『レンジCB』ってなに?って方

・『レンジCB』が何かは分かるけどマトモに使えている気がしないという方

・とりあえず『レンジCB』で打ちがちな方

・そもそのCB自体むず過ぎじゃね?って方

1、そもその『レンジCB』って何?

『CB』とはコンティニュエーションベット(Continuation Bet)の頭文字です。口語では単に「シービー」とよく言いますし、プレイヤー間ならそれで問題なく伝わります。
最後にアクションしたレイズしたプレイヤー(アグレッサー、オリジナルともいう)が次のアクションの際に継続してベットする行為のことを指します。

そして『レンジCB』とはアグレッサーが自身の持ちうる全てのハンドレンジないし、一定のレンジ全体で同額のベットをすることです。

Aハイボードでとりあえず33%potのCBを打つ、なんて主たる例の一つですね。

『レンジCB』の魅力はいくつかありますが、特に強調したい点は個人的に4つあります。

 

1、選択肢を単純化することで自身のミスを減らすことが出来る。

2、相手の精密なリーディングを防ぎ、ハンド・レンジ共に読まれづらくなる。

3、ブラフとバリューの区別が無いため、フロップ以降のアクションでも継続的にブラフとバリューのレンジを保てる。

4、広いレンジでCBを打つため、CB率自体の向上が見込める。fold率の高い相手であればCBを打つだけで相手の期待値を奪い続けることが出来る。

 

つえええええええ!!!!!!!!!!!!!

 

こんな馬鹿らしいほどに強い戦略あっていいの?

しかしこれが『レンジCB』です。

『CB』自体が強力な概念で、20年前のオンラインポーカー黎明期ならこの戦略だけで巨万の富を得ることが可能であったといわれています。そして、当時使われていた高頻度CBの戦略はほぼそのまま『レンジCB』のフォーマットに当てはまります。

現代ではプレイヤープール全体のレベルアップ、研究の一般化からそこまで都合の良い話とはならないですが、『レンジCB』の強さは未だ健在でこれを使わない理由はありません。

「知らないし、使った事も無い」という方はこの機会に是非とも意識してみてください。
ポーカーの世界観が変わります。

先人たちの記事を貼り付けておきます。

全レンジCB戦略と、ポーカーでbetする理由|Lillian|note

BTN vs BB のCB(33%,150%)について – ポーカーGTO戦略のまとめ (hateblo.jp)

NENDERS|note

これらのサイトを拝見するとすぐにわかると思いますが、『レンジCB』の研究は基本的にソルバーの計算結果が元になっています。これがどういうことかというと、精密な計算結果に基づいた理論、いわゆるゲーム理論的に最適解に近しい選択肢を採用しているため、極めて精度の高い『レンジCB』に対しては明確なカウンターを用意できない、しづらいという事です。

まあ、精度の高い『レンジCB』なんてものを使える人間は全体の一握り、もとい一匙もいませんから絶望するにはまだ早いです。
(極めて精度の高い『レンジCB』なんてものを使える人間はより弱いプレイヤーをエクスプロイトするに充分な実力を兼ね備えているので、『レンジCB』を使わずより殺傷能力の高い選択肢を取ってくるっていうね。この場合は絶望していいよ)

『レンジCB』の落とし穴

『レンジCB』……?

まずはこのソルバーの画像をご覧ください。(画像1)

これはとあるSB3bet vs Btn callのシチュエーションについてソルバーで計算した結果の一部です。

SBにはチェックの他に4つのbet額を用意しましたが、ソルバーが示した期待値の高い選択肢はほぼすべてのハンドで35%CBを行うといったものでした。

これは即ち、今回用意したシチュエーションではほぼ全てのハンドで35%CBを打つことでゲーム理論に適した最適解戦略、即ちGTO解(Game Theory Optimal)に近しいポーカーが展開できるという意味になります。

この計算結果を知っていれば、次に似通ったシチュエーションに出立った際には常に35%CBを打つことで自身の持つ期待値を確保することが出来るという訳ですね!

ポーカーって簡単!!

勝ったな! 解散!!風呂入ってくる!!!がははは!!!!!!!!!!

そんな甘い話はないです。ポーカーを舐めちゃいけない。

こちらの画像をご覧ください。(画像2)

よーくみてください。

先程と同様のフロップとポジション、選択肢ですが全くベットをしていません。
おかしいですよね?35%CBを打っていれば約束された勝利が待っていた筈なのに話が違う。
これが落とし穴です。

はい。
では先の計算結果(画像1)とこの計算結果(画像2)で何を変えたかというと相手のレンジをいじりました。

再度詳しく見ていきましょう。

解説 画像1

以下は画像1の設定画面です。

SBが3betを行い、Btnのルース気味なプレイヤーにコールされた状況をイメージしています。
レンジCBの検討のため、オリジナルであるSB側の選択パターンを幅広く用意しました。また、参考記録として計算したためにBtn側の選択肢を抑え、計算結果の簡略化を図りました。

続いて画像1に使用したレンジの構成 SB側

適当に作りました。
3betの相手となるBtnがコールを多用する相手であるのならば下の画像のようなレンジ構成をよりタイトなものにするべきであると思います。具体的にはAxsの中くらいやミドルのスーコネ、AJo、KTs、KJsなどは削るでしょう。自由にどうぞ。

こちらが画像1のBtn側。
ルースさを強くイメージした構成です。些か誇張が酷いと感じられますが、マイクロレートなら未だに存在しますし、ライブポーカーならば当たらずとも遠からずな事もままあると思います。

オミットされたオプション、最適化されていないSB,Btnのレンジ。
その前提のうえでの計算結果が画像1の正体です。この前提に立ったシチュエーションであれば35%CBを打つこともやぶさかもありません。まあ35%って数字も適当なので、探せば適切な数値はちらほらあるとは思います。(33%とか25%とか、、。)

では一方の画像2、CBを全く打たないという計算結果につながった設定とはどの様なものだったのでしょうか。

解説 画像2

設定的にはBtnのコールレンジ以外は画像1の設定と全く同じです。
変更点となったBtnのコールレンジがこちら

いかがでしょう?
おおよそのポケットとハイカード2枚、スーコネを入れておきました。AA,KKは全て抜いてしまいましたがお好みで添えても良いかと思われます。相手の4betレンジ次第ですね。

先の画像1のそれよりは”ありがち”な雰囲気になったのではないでしょうか。
先のレンジを比較するとかなりすっきりした印象です。
この対戦相手に対する3betならば先の画像1でのSB3betレンジについてもある程度支持が得られそうです。

このBtnのレンジの変化によってSBの『レンジCB』は全くがらりと趣旨変えに至ったのです。

原因究明

Btn側のレンジをいじっただけで何故こんなにも戦略に変化が出てしまったのか?
これについて探ってみましょう。

以下の画像は画像1の時点でのレンジの”強さ”について、今回利用したpiosolverの『Range Explorer』で確認した画面です。

この画面では各ハンドの現在のエクイティ(勝率)やレンジ対レンジでのハンド”強さ”をグラフ化したものが診ることが出来ます。

特に注目すべきはグラフです。
緑線であるOOP側、即ちこの場合のSBのハンドの”強さ”は相手の持ちうるハンドの強さに対して平均的に完全に上回っています。全てのハンドでオールインしたとしても相手のレンジに対して56.76%のエクイティを持っていると表示されています。

要は、基本的にSB側が優位で勝っているいう認識でOKです。
基本的に勝っているため、レンジ全体でベットしても都合がいい。相手に優位なエクイティを押し付ける事が出いるという訳です。

理屈からしても計算結果のように『レンジCB』を打つことが優位で都合がいいことが解ります。

 

では問題の画像2についてです。

先の画像1と同様に、画像2についてpiosolverの『Range Explorer』で確認した画面です。

いかがでしょう。
SB側のレンジに変化はありませんが、前提的にハンド単位でのエクイティが下がっていることが確認できます。グラフについての先の画像のそれとは形状が大きく異なっていることが見て取れます。レンジ全体のエクイティに至っては49.02%と先の56.76%から大きく下がってしまっています。

総合的にいって画像2の状況は画像1のそれと比べて不利なものであり、画像2に限った話でもSB側はBtn側に不利な状況であるといえます。

右側中央のグラフに注目してみると画像1との差が良く解ります。

左側が画像1のグラフ、右側が画像2のグラフです。
左側では緑線は赤線に対して概ね優位に対し、右側のグラフでは各線が絡み合ったような具合です。
また、上に来ている部分についても右側では赤線の方が緑より多いです。

なるほど確かに画像2ではOOPであるSB側が不利であることが納得できます。
これにより画像2のシチュエーションにおいては、レンジ全体でエクイティを押し付けるような『レンジCB』はエクイティ不利の観点からしてむしろ不利に働くことが予想されます。

実際の計算結果のように全てのレンジでチェックするかはさておき、『レンジCB』の可否は対戦相手のレンジ構成とそれによるエクイティの多寡によって定まるいえるでしょう。

検討結果からわかること

今回みてきた計算結果の差分から、『レンジCB』の可否は対戦相手のレンジ構成とそれによるエクイティの多寡によって定まることが確認できました。

これは即ち、特定のシチュエーションでの『レンジCB』を常に利用していると、『レンジCB』が不利に働くことがあるといえるでしょう。

これが今回説明したかった『レンジCB』の落とし穴とはそういうものです。

『レンジCB』は非常に強力な戦略ですが、安易に乱用してしまうとせっかくのハンドの期待値を損なってしまいます。
どうすればいい、という明確な回答はここでは出せませんが画一的な暗記ポーカーでは不十分であることは納得していただける結果であると思います。

続『レンジCB』論

とまあ、ここまでいけしゃあしゃあと語ったわけですが、『レンジCB』の概念は比較的新しく、厳密に使いこなしているプレイヤーは非常に希少です。まして、新たに『レンジCB』を製作・発見するとなるとそれこそポーカーへの研究が不可欠になってくるのでライトプレイヤーにそれを求めるということは無茶というものです。

結果として、今の日本ポーカー界隈で知られている『レンジCB』は有識者が記事やnoteで発表した戦略を土台にした劣化コピーであるというのが僕の認識です。
「GTO Wizard」のように計算済みのレンジシートを確認・暗記していくことでも『レンジCB』の幅を広げる事は出来ますが、レンジの差分が出せない以上、強靭な戦略である『レンジCB』自体の研究としては不適格です。
自身でソルバーを扱う中上級者の方々においても、特定のシチュエーションでの計算結果を元に『レンジCB』のようなベットレンジの構成を学習し、アップデートすることが精々です。

これは各々のプレイヤーの努力・熱意が足りないというよりは比較可能なソルバーの計算結果をそろえ、比較することが中々難しいことに起因しています。それこそ集合分析がそれに該当します。いや、集合分析の結果を集結させるくらいの気構えでないと『レンジCB』への体系的なアプローチは難しいのではないでしょうか。

あくまで予想なのですが、今後5年から10年も経てば「Ryzen」のような今のハイエンドモデルに比肩する処理能力を持ったパソコンが広く利用され、それに伴い集合分析の敷居が下がると考えています。

要は、『レンジCB』の時代はこれからである、ということです。

じゃあ、それまでどうしろと?
わけのわからん、間違っているかもしれない不完全に齧った『レンジCB』を使うしかないと?

結論としてはそうですが、必ずしも落胆することはありません。『レンジCB』を補完するに足るものはすでに存在しています。

ぶっちゃけます。

それはプレイヤー個人による”直感”です。

本気でそう思っています。
そもそのチートシートでも使わなければ『レンジCB』における適切な額など判る筈がないわけで、その意味では『レンジCB』の完成度について追及することはプレイヤーとしては無価値です。

結局ほしいのは、妥当な戦略であってその選択基準は「他の選択肢よりも期待値が高いのか」、これに尽きます。

つまり、『レンジCB』を利用するかしないかは「他の選択肢よりも期待値が高いのか」を認識する事から始まります。使えるか否か、これでだけならばチートシートやリアルタイムソルバーを抜きにしても十分に判断可能です。

具体的には”対戦相手のレンジ構成とそれによるエクイティの多寡”を感じ取ることで判別が可能です。
要はレンジ全体で勝っていそうなら『レンジCB』。これでOKです。

”勝っていそう”かどうかを感じ取る、これが直感の世界です。

直感で感じ取ったエクイティの多寡を自身の選択肢に反映することで、『レンジCB』は机上の空論から実現可能なオプションとして補完されるというわけです。

ここまできても『レンジCB』のベット額については算出できませんが、それこそ自身にとって気持ちの良い額でプレイしてもらえればよいと思います。特にSPRや有効スタックの影響が少ないフロップであるならば尚更です。

いかがでしょう。
『レンジCB』やCBのそれ自体への苦手意識は多少は減ったでしょうか?

結論が”直感”では拍子抜けしたかもしれません。
そう難しく考えず、気楽に行きましょう。これが僕の結論です。

不満点や解消できない疑問があれば身の回りの実力者なり何なりに聞いてみるのも手です。戦略は常に進歩していますから今回の記事についてもすぐに陳腐化する、あるいは既にしているかもしれません。その辺は文字媒体の定めなのでどうぞ許してください。

まとめ

1、『レンジCB』は極めてパワフルでメリットのある戦略である。

2、『レンジCB』の内容をポジションとボード毎に暗記しているとミスにつながることがある。

3、『レンジCB』の判別は対戦相手のレンジ構成とそれによるエクイティの多寡によって定まる。

4、厳密な意味での『レンジCB』が時代を席巻するのはまだこれから

5、己の”直感”に従って判別していくことで『レンジCB』の精度が上がる。最後は勘。

 

今回の記事は以上で終わりとします。
最後まで見てくれてありがとう。
今後もぽつぽつとポーカーについての記事をupしていきたいと思うのでどうぞよろしく。

じゃあの!!

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